魔人の少女を救うもの2巻

魔人の少女を救うもの Goodbye to Fate2 (GA文庫)

 

 第1巻で大絶賛した作品の続編。

なんだ、これ? 今回は否定的な感想(ネタバレ含みます)になります。

 

ありかなしかでいえば、なし、かな。1巻は帯など含めて予想される結末があって、そのうえでご都合主義的ともいえるハッピーエンドがあった。あったからこそ大絶賛した。でも、2巻のこれはベストなハッピーエンドを打ち消したばかりか、1巻のハッピーエンドまで壊し、しかも中途半端なところで3巻へと続く始末だ。

うーん、これなら1巻だけ読んで終わらせておけばよかったかもしれない。

物語は第三の魔人である少女・リーモットを救うために新大陸へと渡ったウィズとアローン。そんな二人に待ち受けていたのは、アローンとウィズを襲う謎の奇病に、英雄一行、そして魔人化していくリーモット。

まず挿絵。カラー挿絵でアローンとリーモットが出会っているイラストがある。はい、もうこの時点で二人が出会えることが確定してしまい、奇病で苦しむアローンを置いてウィズが単身でリーモットのところに行き、出会えて二人で戻るまで、もう何の緊張感もない。だってイラストで会えることがわかってしまっているんだから。どんなピンチもただそういう状況になったとだけしか。300ページのうち180ページが無意味という。

救う方法がない、とリーモットが嘆いたとしてもカラー挿絵で笑いあっているんだから治ることがわかるわけで絶望感なんて一切ないよね。これ、もう大失敗でしょ。

次にネタバレとなるが、2巻の段階でリーモットは救えません。魔人化し、英雄アルルクルによって倒されちゃいます。この時点で、「少女たちを救うための困難でか細いいばらの道」が途切れてしまいましたね。ここは救って欲しかったと、1巻のハッピーエンドを絶賛した人間としては思ってしまう。道がね、分かれてしまった感じ。

凡夫な主人公が必死に必死にあがきながら少女を救っていく物語ではなく、なんか絶望と挫折を進んでいって、最終的には二人だけ精神的に救われる結末しかない物語に。そういう結末に行くなら1巻で殺しておけよ、と。安易なハッピーエンドを選んだったらその道を何としても突き進めよと、思ってしまった。

 

はぁ、残念。

残念と言えば、ウィズとアルルクルが出会ってしまったのも残念。早すぎるわぁ。せっかくアルルクルはウィズを死んだと思って闇落ちみたいな感じになったのに、2巻で出会うとか。興ざめ。出会わないように出会わないようにギリギリの糸を繋いでいくのが面白いのに、出会っちゃった。

しかも2巻の終わりは二人が相対するところで終わり。

これがさ、5巻ぐらいなら面白いんですよ。ついに出会ってしまった、とか。それが速攻ですよ。いやもうアルルクルが言う通り、すぐに会いに来てくれれば、ですよ。

 

死んじゃいけないリーモットが死んでしまった時点でこの作品の呪いの運命を乗り越える、というテーマが消えてしまった。もうあとに残されたのはダークファンタジー的な物語だけ。

あれなのかなー。1巻のハッピーエンドは受賞作を無理やり続けるための終わりで、2巻は想定していなかった続きだった、とかなのかなー。

なんにしろ、2巻でここまで落ちた作品は久しぶり。3巻はあらすじと挿絵見て、考えます。