いずれキミにくれてやるスーパーノヴァ

 

いずれキミにくれてやるスーパーノヴァ (角川スニーカー文庫)

 

 タイトルとあらすじに惹かれて購入した角川スニーカー文庫の一冊。

久しぶりにセカイ系のSFを読んだ気がする。

 

毎夜0時から10分間だけトランシーバーで一万光年離れた星のお姫様スピカと話をしていた主人公の泉大地。そんな彼の日常がスピカと出会ったことで一変し。

みたいな物語でセカイ系SF青春物語といった内容でした。前半リズムの悪い文章に読みにくさがありましたが、スピカと出会った辺りからは非常に読みやすく、スイスイと最後まで読むことができました。物語の展開としては非常にわかりやすいです。SF要素も簡単で、たぶん他の読みづらい造語盛り沢山の小説より何倍もわかりやすい。それ故、ストーリーを最高に楽しめた。

伏線もわかりやすいし、ぼかしていた部分もちゃんと補足してくれる親切仕様。

 

ただ点数をつけるとするなら60点くらいになる。理由としては、ギャルゲーで三人同時攻略みたいな展開だったから、最後の方の盛り上がりのポイントがバラけてしまい、この作品のメインヒロインは結局誰なの? となったため。これが3巻とかならいいんですけど、1巻で全ヒロインを攻略しようとしているから、なんかこの作品のメインヒロインは誰なんだ? とモヤモヤしたまま終わった。

カラーページの挿絵も、あれ? 彼女なの? と理由がわからなかったし、ちょっと各ヒロインにかける比重を間違えた感じ。1巻なのだからスピカメインでよかったような。それかヒロイン3名の比重を同じくらいにして表紙や帯を作るべきだった。

 

登場人物はたったの四名。スケール大きいことしていますが、セカイ系なので四人の中だけでほぼ完結しています。タイトルの意味もまぁ回収できているのかな。

なんか続刊があるかも? な含みもありますが、個人的にはこのまま締めておいたほうがいい気がしないでもない。無気力だった主人公が物語の終わりでは前に向かっていこうとするキレイな終わり方だ。どうせあとは前を向いた主人公が傷つきながらも頑張るとか、ヒロインの主人公争奪戦とか、スピカとの別れぐらいしか想像できない。

もし、それ以上の物語が用意されるなら大絶賛するが、はてさて。

 

空想の存在を空想のまましておきたい、みたいなところは最近バーチャルYouTuberにハマっているので非常に共感しました。