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追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ

 

追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ (ファンタジア文庫)

追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ (ファンタジア文庫)

 

 第29回ファンタジア大賞金賞受賞作。

わかりやすい伏線から結末や設定を推理するのが楽しい作品でした。

 

まず第一にギミックが素晴らしい。基本的な設定ごとに関しては最近よく見かけるものなのですが、そこからさらに踏み込んだ部分――根幹の部分の設定が素晴らしかった。ああ、だから2016年で、7年前の年賀状なのね、と。

正直、最後のヒロインが悲劇に見舞われて、その手段を取るのはだいたい予想がついたわけですが、そのあとのエンディングを起こすための伏線の説得力が素晴らしかった。

あとは現実にありえそうな出来事や人物像、それなりに好感の持てる人物たち。

高得点というわけではないが、平均点が高い作品。ここにもう一つ尖った部分が加わると良作になりそうな、良くも悪くも平均点が高い作品。地味、ともいえる。

文章も読みやすいし、話のテンポやキャラづくりも悪くないので、この作者の二作目に期待したいところ。ただ尖った部分が足りていないのも事実なので、次作ではその部分がないと埋没してしまうかもなぁ、と思いました。

 

SF設定ありの青春ラブストーリーとしては悪くない一作でした。