兄の嫁と暮らしています。2巻

くずしろさんが描く、『他人だけど家族』な物語。

帯や裏表紙を見て、面白そうと思ったら絶対に合う作品です。

 

帯と裏表紙のあらすじ説明が非常に秀逸なんです。作品を描いたくずしろさんも凄いけど、その担当編集である赤城奈穂さんというかたも作品をよく理解し、センスがあると思う。装幀の井尻幸恵さんも。

ページを捲って1ページ目のカラーページ。志乃と希の初対面という喜の色を描いたかと思えば、次のページに黒、葬式の一場面を描いている。もうこれだけでこの作品世界がギュッと引き締まる。この漫画がただ楽しい、ほのぼのとした日常ハートフル家族ストーリーではないことを暗示させている。

一話目から、希を束縛してはいけないと思いつつも寂しさに耐えきれない志乃。そして一緒に暮らすことを選択してくれた希。もうこの第1話の描写だけでかなりグッとくる。そしてそんな1話を描いたかと思えば、三話目では丸々一話を使ってゴキブリとの対決、一巻で飼うことになった猫の名前の決定が描かれている。そのコメディ要素、この振れ幅の広さがこの作品の特徴だ。

そして家族として中を縮める話だったり、二人の周囲の人間を描いたり、一つ一つの話が面白いのにどこか影がある。それは「亡くなった兄」という存在で、それが読者にもはっきりと伝わってくる。

ここに「兄」がいれば、もっと幸福だったんだろうなぁと簡単に想像できる。

全編において、そんな切なさを感じるストーリーでありながら、ハートフルでもある。

つまり、おもしろい。

 

あと、カバーを捲ると漫画があり、そこでメガネ姿の希が描かれているのですが、素晴らしいねっ! ぜひとも見てください。

2016年新規部門で1位に推した本作ですが、2巻も変わらず面白いです。すごくおススメ。