蒼竜の側用人

 

蒼竜の側用人 (花とゆめCOMICS)

蒼竜の側用人 (花とゆめCOMICS)

 

 たまたま本屋で目に入った本書。

面白かった。表題作もですが、一緒に収録されている「なつめきマーメイド」も面白かった。

 

自分の居場所がない村を飛び出した巫女・ルクルが得た仕事は、王宮の離れに棲む一匹の竜の世話をすることだった。
気性の荒い竜・ユリウスに初めは恐る恐る接していたルクルだったが、少しずつ彼の不器用な優しさに気付きはじめ…?

 

というあらすじの作品。少女漫画っぽくない感じですが、読み進めていくうちにこれは少女漫画だっ! そして面白いぞ! と思えてくる作品です。

構成が綺麗で、ヒロインのルクルはちゃんと最初は恐れ、それでも頑張る理由が明示されているし、ユリウスの気遣いに気づき、前へ前進しようとする姿など自然と応援したくなる流れが作られている。

またユリウスをきちんと竜として描いているのも好感が持てる。ヒロインがその世話の中で物理的に傷つく描写があるなど、少女漫画の中では珍しい部類ではないでしょうか?

そして二話目以降、少しずつ中を深めていく描写がこそばゆい。竜(?)と少女ではあるが、しっかりと交流が描かれており、互いに惹かれていく様子が一歩ずつ描かれている。呼び方を変えようとして、元のままがいいなどお約束ながら読んでいて気持ちがいい展開だ。

本当に面白いし、まだまだ明示されていない謎や想像できる展開などもあったので1巻完結みたいなのが残念。村の者とか、ユリウスとのさらなる交流とか、恋愛要素がさらに強くなった時、いったいどうなるのか見てみたかった。

が、一冊のコミックスとしては非常にレベルが高く、面白い。良い作品でした。

 

そして、同時収録された「なつめきマーメイド」も面白い。

泳げないヒロインが市民プールで出会った青年から泳ぎを教わる、というお話。最終的にはこれから恋が始まる、的な終わり方だが、短編としては主軸のテーマである水泳をしっかりと描き、その中で交流を深めていくので説得力がある。

泳ぎの指導の仕方や水泳キャップにゴーグルなど、細かな部分まできちんと描いているので好感度高いですよ! 特にキャップとゴーグルをしてたり、長い髪をお団子にしてまとめていたり、細かい点ですけど素晴らしい! よくあるなんちゃって水泳になっていない点が非常に素晴らしいです。

 

表題作、短編両方とも面白いという稀有なコミック。

花とゆめオンラインに読切1話があるので、気になった方はそちらをご一読ください。

この作者さんの次回作が出たら必ず買います。今はオンラインで『よなよなヨーガ』という作品を連載中(?)みたいですね。

こういう丁寧な作品を作れる作者さんにはぜひとも頑張ってほしいです。応援します。