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やがて君になる

 

 なんとなく買っていなかった本作。先輩がおススメしていたので買いました。

先輩がこの感想を読んだらニヤニヤしそうだけど、面白かったです。

 

あまり人からおススメされるものを面白いと思うことはないのですが、一人だけ信頼している先輩がいて、その人がおススメする本は面白いことが多いので、ちょいちょい買ったりしています。

人にものをおススメするときに、相手のことを考え、相手の趣味をある程度理解していれば、相手が喜ぶものをおススメできるんですけど、結構そこら辺が出来ていない人が多いです。まぁ不躾に、何か面白いの教えて、とかいう無茶ぶりをする人も多いですけど。

だいたい、相手のことを知らずにおススメなんてできるかっ、ての。万人向けになるか、コアになるかなんですよね。だからおススメを教えてほしいなら、ある程度読書傾向を明かすこと、メジャー以外の作品も含めて伝えること、ですよねー。

 

とまぁ、前置きはこれくらいにして、本作の感想です。

好きを知らない少女が高校入学の時に知り合った先輩から「好き」だと言われ、交流を深めながらも、未だ自分の気持ちがわからない、「好き」がわからないままの進んでいく物語。

ああ、この作品いいなぁ、安心して読んでいける、と思ったシーンが二つあります。

一つは、第二巻20ページ右下の七海先輩のコマ。凄く細かいんですけど、非常に先輩の気持ちが伝わってくるコマです。特に手がいい。このコマを見たとき、ああ、この作者さんは丁寧に物語を描いてくれる、女の子の機微まで可愛らしく描いてくれる、と思いました。

もう一つが、男性キャラである槙くんを早々に傍観者キャラにしたこと。これはかなり早い選択だなぁと思いました。百合作品において、男性キャラの存在というのは非常に難しい問題です。このキャラをどうするかで作品の質が大きく揺れ動きます。

本作では早々に槙くんを傍観者にし、二人に絡まない位置に遠ざけました。それでいてもう一人の男性キャラ・堂島くんは登場数を減らして、今はまだ影を潜めています。

堂島くんが何かしら後々絡んでくるのは予想が付きますが、槙くんを早々に傍観者にしたこの作者なら、悪手は出してこないだろう、と思います。

 

そういう安心できるシーンとともに、丁寧に描かれた本作は優しくはないが、百合作品らしい空気感を持っています。キャラクターの可愛らしい絵がほどよく中和しているんでしょうね。

今後どういう風に物語を進めていくかわかりませんが、良い作品なので追いかけていきたいとは思います。