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長い休日

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小説 野性時代 第120号 (KADOKAWA文芸MOOK 122)

小説 野性時代 第120号 (KADOKAWA文芸MOOK 122)

わたし、気になります! 気になって、気になって仕方なくて、耐えきれなくなって遠方の図書館でバックナンバーを取り扱っているところを見つけて、そこでコピーをしてきました。
何を? 古典部シリーズの今時点で最新作の『長い休日』です。
掲載された野性時代はバックナンバーも在庫切れを起こしており、プレミアがついております。
ああ、雑誌のプレミアってこういう時につくんだなぁと感心しました。見つけられたのも、祖父がそこに図書館がある、と教えてくれてそこからの派生でした。祖父に感謝です。
 
あとは図書館で書庫から出してもらい、コピー機でコピー。特集部分もコピーをしたので500円くらいかかったのかな。まぁ6000円出してプレミア本を得ることに比べれば些細な出費です。何より、こうして手に入れたことに充実感を感じております。不思議ですが。
こうなってくるともう一つ前の話も読みたくなりますが、『長い休日』ほど読みたいと思わないのはどうしてでしょう? やはり、折木奉太郎の信条について語られるお話だったからでしょうか。
 
作品の内容や感想は他の方が大勢書いております。コピーを手に入れるまでどれほど恨めしく思ったことか。
もし、この記事を見て、読みたいと思った方はお急ぎを。単行本化まで待てるならいいのですが、そうでない場合、図書館の保管期間を迎えるかもしれないからです。調べたら、1年とか、半年とか、ひやりとする保管期間を明示している図書館もあったので。
 
気になって、気になって、読んだ本作。特集も含めてすごく良かった!
何年も記事を書いてますが、この手の感想は下手で、人にモノを話すときにえる嬢と同じく、結論から入るというか結論だけ言ってしまう癖があります。実はつい最近そんな自分の癖に気づいて、える嬢のようにあとから説明できる能力がないことに反省しております。
話外れましたが、特集は米澤穂信についての解説から略歴、古典部のシリーズ解説、綾辻行人さんとの対談、鎌倉洋館訪問記、米澤穂信への30の質問、そして『長い休日』という構成です。
どれがはなくて、どれも面白いんです。興味が惹かれて、ふんふんと深く読みふけっていきます。ところどころに気になるなぁという部分がありました。特に綾辻さんの本は読んでみようという気に。
 
『長い休日』ですが、読みやすいんですよね。
軽くもなく重くもない。この不思議なリズム感というか読みやすさはなんなんでしょう。読み慣れている、からでしょうか。
すらすら、と読んでいくと唐突に奉太郎の過去話が終了されて、える嬢と同じく「え?」となりました。そして改めて、ああここがミステリーか、と。
驚くとともに感心しました。このあたり、ミステリーに対する経験が不足していることが物語を楽しむことに繋がっていて嬉しいやら経験不足を恥じるやら。
あらすじやネタバレは他の方の感想文をお読みください。いっぱいあります。
僕としてはこの話を読み終わった後に浮かんだのは「愚者のエンドロール」でした。そして「連峰は晴れているか」です。愚者は今回の話――特に奉太郎の過去と繋がっており、連峰は彼の根底の優しさというか、気を使う部分が思い起こされます。
この話で読者は奉太郎の根幹と信条を知ったからこそ、今までの出来事を振り返りたくなります。そして彼の行動や考え、その根底にあるものがどう繋がっているのか、考えさせられます。それこそミステリーですね。
 
手に入れるだけの価値あった。気になった答えがこれなら満足する。そういうお話であり、特集でした。
こんどBD-BOXがでます。気になるを通り越して、買うこと確定です。
 
私情ですが、2カ月の休日が終わり、17日から新しい仕事が待っています。
このタイミングで、この物語を読めたのはよかった。

※追記
改めて、折木供恵のセリフと行動を思い起こしてみると、奉太郎が小学六年生の時、折木供恵は高3?(供恵が卒業後、3年間古典部の部員不在で4年目に奉太郎が入学。その時に供恵が大学生なら、高3であっているはず?)ということになる。
そのとき、供恵は古典部に所属していて、「優しい英雄」の話を知っていた。その上で奉太郎の受けたショックの話を聞き、『長い休日』に入ると言ったわけで、そして彼女はその「優しい英雄」を知ることになる古典部に奉太郎を呼び込む。このとき、える嬢の存在はあってもなくても関係ない。奉太郎一人だとしても顧問から文集のことは言われるだろうし、そこから過去の文集を捜索すること、また手紙で促すこともしている。そこで「優しい英雄」を知ることで『長い休日』の奉太郎を揺さぶろうとしたのかなぁ。
その上で、奉太郎が「優しい英雄」の話を知ったことを知ったうえで、入須をけしかけたこと。
これは試したのかな? 奉太郎が長い休日を出たのかどうか。
問題は入須がどこまで嘘を吐いていたのか、なんですよねぇ。ここら辺、読み手によって解釈が異なりそう。
うーん、さらにOVAのこともあるし、難しいところ。ここら辺、もっと考察をしていこうかなぁと思います。要は、わたし、気になります!ということですね。