リアクト

リアクト (ハヤカワ文庫JA)

リアクト (ハヤカワ文庫JA)

再読する前に表紙とタイトルで挫折してしまう本書。
そう思った一作目『リライト』を再び読みたい、と思わせる本作『リアクト』。悔しい、でも完全に作者にやられた!
 
3000年から来た少女・ホタルによって1992年夏に起きた『リライト』の真実が明かされる、というあらすじにある通り、真実が明かされる話でした。2作目もそうですが、3作とも話が繋がっているので、連続して読むのが一番いいです。
本作はその衝撃的な真実による話の転換により、ぐいぐいと読者を次へと引っ張っていくのですが、物語の色が濃すぎて登場人物が薄い、というのが本作の大きな問題点です。
勢いがありすぎて読者に染みこむ前に先へと流れてしまうんですよね。そのせいで登場人物は3作ともほぼ同じなのに混乱したりするんですよね。なので余計に、この混乱を抑えるに3作を一つの作品として一気に読むのが一番なんです。
 
とにかく一作目は『最悪』な結末でした。それが二作目を挟んで、三作目に一段階上へと一作目が昇華されたんです。同時に三作目も三作目で面白い、というとんでもない三作目です。
さらに恐ろしいことにこの作品が四部作だということ。あと一作残っているのがここまで楽しみなのも珍しい。
 
この作品。四部作という性質上、何らかの読者賞や雑誌の賞などに選ばれる可能性が非常に低い。なので本屋とかで目立つとしたらその書店員さんが読んで、押すしかないという仕様。
作品としてバカ売れすることはないとは思いますが、ぜひとも読んでほしい作品です。

一作目を読んだ時点でここまでハマるとは思いませんでした。
完璧に作者にやられました。