英国マザーグース物語 婚約は事件の幕開け!

英国マザーグース物語―婚約は事件の幕開け! (コバルト文庫)

英国マザーグース物語―婚約は事件の幕開け! (コバルト文庫)

面白そうと思えば、それが少女漫画だろうとエロ本だろうとなんでも手を伸ばす雑食人間。
英国・マザーグース・男装少女とおいおい釣り針がでかいじゃないの。
そんな餌にクマー……と釣られて読んだ本作。お前さん、やるじゃないの。
 
どこかのメシバナをする刑事みたいな始まりをしてみた今回。アルトレオの空賊姫以来の少女小説です。
ルルル文庫でいつまで経っても最終巻が出ないエノーラ・ホームズシリーズを待つ僕に神が与えた同系統小説。
19世紀、大英帝国の首都―ロンドン。偉大な探検家である当主が亡くなり、長男が爵位を継ぐことになったアッシュフォード子爵家。長女セシルはといえば、子爵家の未来のため、顔も知らない相手と結婚することが決まっている。だが、好奇心旺盛な彼女は結婚までの一年間、新聞記者になるという前代未聞の行動に出た!「子爵令嬢」という正体を隠し、少年姿で働くセシルの前に現れたのは!?―。
英国・マザーグース・男装少女・推理モノ・恋愛・兄弟もので19世紀ですよッ! どんぴしゃですよ。
かわざるえなかったね。この本がもし駄作だったとしても買ったことへの後悔はしなかったでしょうね。
 
そんな面持ちで購入し、読破した本作ですが、面白い! まさに、お前さん、やるじゃないの。である。
ストーリー展開・キャラクターの立ち具合・少女小説の範疇に収まった推理具合のどれもが合格点をつけられるレベルであった。気になったのは、主人公・セシルが男装はしていても始終敬語で話すし、「わたし」という一人称を使うので今ひとつ男装ぽさが出ていなかったところかな。
それでも全体を見れば十分合格点を与えられる内容である。まぁ、『僕』にしたらしたでBL臭が強くなるから難しいところでしょうが。
 
とにかくキャラクターの存在感が凄い。男装ヒロインに腹黒婚約者、シスコン兄貴に活動的な親友、とメインが充実しており、話の合間ごとにある婚約者とシスコン兄貴の会話が笑いを誘う。
舞台の描写もエノーラシリーズほどではないにしろ、しっかりとしている。少女小説らしい舞台作りであるし、それぐらいでいいと思う。
さらっとコナン・ドイルの名前を出したりと遊び心も含まれている。
 
とにかく読んでいて楽しい作品。
2012年一発目の小説としてはかなりの高水準を引き当てたと思っています。
シュガーアップルと同様に女の子ががんばる物語。これは売れる、というか売りたい、読んでもらいたい一冊ですね。