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ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常

ライト文芸

初刊が累計25万部を突破したそうで、10月の段階でそれならこれからどこまで売り伸ばしていくのでしょう?
ひさしぶりの読書感想文。書くならこの作品でしょう。
 
人の心の暗い部分に柔らかな光が雲の隙間から差し込むイメージが思い浮かぶ本作。前作同様に安楽椅子探偵の栞子さんが本と人の心を推理して解き明かしていきます。
また栞子さんと大輔くんの関係も進展したり、後退したり、動いております。
そして今回も心に響く一言がありました。
「わたしは耳がいいんですよ」
第二話で発せられるこの台詞。色々なものが詰まっていて、同時に明快でわかりやすく伝わってくる。
小説の中でこの一言が心に響く、というのは意外に少ない。全体評価、ストーリー展開の上で感動することは多々あるけれど、その一言で本を読む手が一時停止するくらいの台詞というのは少なく、そういう本は総じて高評価になる。
本作ではこの一言で、前回のような僕の思想と重なるものではなく、どちらかといえば作品の流れと相まっているのかもしれない。けれど、この台詞のすごいところは凡百の似通った意味合いを持つものとは深みが違う。前面に出していないのに前面に出ている。そこがすごい。
 
台詞以外に、物語の中身も上等な味わいが出ている。
このレベルを維持するのは相当大変だとは思うが、さすがベテラン作家といったところだろうか。
 
ちょうど文学少女が終了し、本とミステリーを掛け合わせた作品の後継としてタイミングが良かったのかもしれません。
 
非常にお勧めできる作品。2011年の作品ではやはりトップクラス、というかトップか?
作品のデザインや内容からも他人にお勧めしやすいですしね。25万部売れて地盤はバッチリ。
あとは何かきっかけがあれば爆発するかもしれませんね。