のうりん

のうりん (GA文庫)

のうりん (GA文庫)

題材の面白さとパロディが多いということで買ってみた本書。
ベン・トーに近い可能性を感じるが、出し惜しみをしている感があるのは残念なところ。
 
さて、農業系を題材とした作品といえば「もやしもん」ぐらいしか思い浮かばない私ですが、題材としては非常に興味を抱きます。
作者は農業高校に一年間取材を行ったらしく、非常に期待を持って読んでみたのですが、物足りない、ですね。
 
全体としてギャグとパロディの比重が多すぎて作品のメインテーマである農業が薄い。
また農業について扱うなら「食」についても比重を置いて描いて欲しいかな。
全体としてギャグとパロディの量が多く、テンポはよい。しかしながら農業という異色な題材を取り扱い、しかも!一年間も取材をしたと作者近況で書いたのなら、読者はそこに期待をする。なのに、作品の大半はギャグで農業が添え物程度では肩透かしである。
 
パロディ多めのラブコメ現代モノは現在のラノベの流行ではあるが、せっかく農業というラノベで今まで取り扱ったことがない題材を扱うならもっと中心の軸に置いて欲しかった。
そうあえて言うなら『清水文化の作品を見習え!』だ。あの人の作品ほど読者置いてけぼりで知識を詰め込んだ作品もないし、それが中身と絡み合い、面白くなっているのだから。
単なるパロディ作品ならそこら辺にいくらでもあるのだから、もっと農業を! ガイアが囁いているんだから、アイドルとかパロディとかに余所見をしちゃダメです! もっと読者がドン引きするぐらいの農業知識と農業ネタをぶち込み、天候や食、学校生活、特殊な授業といった様々な側面を無知な読者にぶつけて欲しい。
 
作品のテンポはいいし、キャラクターにも好感が持てる。
あとは作者がもっとガイアの声を聞いて、農業中心の熱い作品をかけるかどうか。暑苦しいまでに農業を訴えかけるように次の巻で修正してきたらこの作品はヒットする。
そんな可能性を秘めた作品でした。