問題児たちが異世界から来るそうですよ? あら、魔王襲来のお知らせ?

強力な力を順調に獲得しつつ、ただ力だけでなく頭脳も行使する形へと持ち込んでいるのは見事、な本作。
仲間が増えていく展開かと思ったらギフトのみ増えていく展開だったのが意外かな。
 
物語は前作から一ヵ月後。副題にあるとおり、魔王が襲来し、それに対抗するお話です。
全体的に会話のテンポ・物語進行のテンポはいいのだが、危機感が不足しているため後半の盛り上がりに欠けるところがある。魔王が襲来したときの圧倒ぶりはなかなかのものだが、ゲーム中断後の展開がいまひとつ。もう少し危機感を煽るか、最後に向けてのホップ・ステップを描くか、あと一歩が欲しかったところ。
ただ力一辺倒で進まずに頭脳によって相手の秘密を曝け出すところは上手いと思う。この部分がないとただの俺ツエーな話で終わってしまうが、うまくグリム童話や神話などを絡み合わせて作っているところがよい。アイディアを出している感がひしひしと伝わってくる。
 
また、飛鳥をメインにしながらも十六夜の活躍が多いのは不満。読者としては飛鳥によってカタルシスを得たい気分で読みすすめるのにその結果がこの展開では……。
全体的な出来はいいんだけれど、あと一歩が足りないという印象が強い。
前半の黒ウサギから逃げる展開や耀のギフトゲームなどと面白い要素は多い。
あとは最後の盛り上げ方をきっちりと整えてくれると満点を付けたくなる。
 
とてもよい小説です。今後への期待が非常に高い。