シャドウネゴシエイター

シャドウ・ネゴシエイター神魔の交渉人 (角川スニーカー文庫)

シャドウ・ネゴシエイター神魔の交渉人 (角川スニーカー文庫)

帯にある『事件は一人で解決するんじゃない!チームで解決するんだ!!』と交渉という言葉に惹かれて購入。
帯に比べると非常に残念というか、作者が普段は漫画家&原作コンビだからか構成が非常に漫画的でした。
 
ぶっちゃけ、交渉していません。駆け引きとか、読みとか、心理戦とか、そういうのはほんの少しで、残りは交渉とは程遠い、ただのお話し合いでした。
これならむしろ、クレーム対応のほうがよっぽど交渉と言えるレベルで、駆け出しの新米交渉人という肩書きはあれど、これでは読者は満足できない。最低限、読者を納得できるだけの知識を書き込まなければ、交渉人なんて難しいものは取り扱わない方が良かったかもしれない。
 
さて、そんなわけで交渉人としては非常に残念なレベルだが、この作品の特徴はそれ以上に構成や文章が漫画的・漫画原作的であることだろう。
まず読み始めて誰もが改行が多い、と思うはず。また、舞台説明が怒涛のごとく地の文で説明される。さらに異様に容姿の部分だけは事細かな描写がなされる。
そして一番驚くべきことが誰もが最初の導入的な事件だと思う事件が物語全体の事件であることだ。
 
つまり、すでに事件は始まっていて、主人公たちの説明が行われ、その事件を解決するまでが描かれている。
通常なら、
プロローグ→事件発生→解決→主人公・舞台説明→日常or事件の伏線→事件発生→解決→エピローグ
か、
プロローグ→主人公・舞台説明→事件発生→解決→日常→事件発生→解決→エピローグ
みたいな流れが多い。それに対して本作は、
プロローグ→事件発生済み→主人公・舞台説明→事件対応→事件対応のための更なる事件対応→事件解決→エピローグ
という、漫画とかだと1巻あるいは1話を用いて行われることが、本書で行われている。
 
なので構成が非常に漫画的な印象を受けた。それ自体は別に悪いことではなく、この作者の特色なのだろう、というだけのこと。
面白い、面白くないの判断基準で話すなら、一巻丸々導入の話だから今後次第?
キャラクターは悪くないと思うので、もう少し丁寧に描いて欲しいかな。
 
あるいは洋画『96時間』のようなノンストップアクションタイプで怒涛の勢いで読み進める作品にしてもらえると楽しめるかな。