丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ

スニーカー文庫優秀作。受賞時の『風景男のカンタータ』よりも『丘ルトロジック』のほうが数倍ネーミングセンスがありますね。
編集者が相当優秀だったと思ってしまう、本作。中身はタイトルと表紙で予想したとおりで良かったです。
 
『丘研』という部活に入部してみれば、実は『オカルト研究会』だった。そこに集まったメンバーは一癖も、二癖もあって。
そんなお話なわけだが、タイトルとあらすじで大体の人がこの本を読む前段階で中身に対して抗体を持っている。だからこれぐらいの狂いっぷりぐらいなら受け止めてくれるし、面白いと思ってもらえるだろう。
 
物語が進むに連れて明かされていく登場人物たちの狂気。
こちらは登場人物の性質がわかりやすいので読者も受け入れやすいと思うし、すでに読む前の段階である程度のことを受け止める器が出来ているから、この程度なら大半の人が大丈夫だと思う。
 
ただ、最初の段階でピンと来なかった人は手に取らない方が懸命。
誰もが引き寄せられるタイプの本ではない。その辺りを理解していれば、十分楽しめる作品である。