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インシテミル(ネタバレ含む)

映画

インシテミル (文春文庫)

インシテミル (文春文庫)

この作品はおそらく、原作既読か未読かで大きく評価が二分される作品だと思います。
既読の人・ミステリー好きな人は低評価、未読の人・ミステリーをそれほど好きではない人は高評価(既読の人に比べて)、ではないでしょうか。
その最大の理由は、原作が推理ゲームなのに対して、映画が心理ゲームになっているからです。
 
個人的にはこの選択は悪くないと思いました。原作の設定が緻密な点、6日目が映像としては地味な点、この二点が大きく問題となる。加えて、人工的クローズドサークルだとSAWを筆頭とした洋画が多いため、ミステリーを描くよりも心理サスペンスを描いた方がいいと判断したんでしょうかね。
だから、この選択自体は悪くないと思うし、原作を大幅に改変して作り直した内容はOKだと思います。映画を見終わったあとの評価はともかく、映画序盤での改変具合と原作準拠具合に『おっ、これはどう展開するつもりだ?』と原作既読者は淫してみたはずですから。
 
ただそれならそうともっと心理要素を強化して欲しかった。この映画は原作既読者には優しすぎる。
また改変によって細かな所で設定が破綻したり、ボロが出ていたりする。原作を読んだ人からすると気になる点がぽろぽろと。
 
個人的に一番許せないのは、舞台の映像をインターネットで様々な人が見てる、という映画オリジナルの設定。
唐突に携帯で舞台の様子を見ているシーンが出てくるんですけど、それだけ、なんですよね。この無駄な設定。まったく生かせていない設定だけは許せない。
どうせなら、掲示板に実況スレッドがあったり、ニコニコ動画みたいにコメントが流れたり、舞台に映像を見た人のコメントが流れたりするシステムがあれば、面白かっただろうに。
映画冒頭でパソコンからサイトにインするシーンでも入れて、そのサイトに原作の警告とフィクションです、みたいな文があって、見ている人は主人公たちのデスゲームをドラマだと思っている、みたいなものがあればよかったのに。
 
あれですよ、だからまぁ、これから見る人は推理ゲームではなく、心理ゲームとして見ましょう。
原作既読の人は原作準拠な部分と改変部分を見て、ああ、そう変えたかぁとおもいましょう。
 
で、面白くないと思ったら、原作を買いましょう。
まったく違いますから。