はるかかなたの年代記 双貌のスヴァローグ

スーパーダッシュ文庫の小説とは思えないほど、丁寧なファンタジー学園モノでした。
ここ最近読んだ本ではかなりの高順位に位置する本。上半期の新シリーズものならまず間違いなく一位。
 
そんな本書は年代記とは言いつつ、普通のファンタジー学園モノである。定番や定石を押さえながらもきっちりと後半にカタルシスと安堵を与えてくれる展開は非常に好感が持てる。
ライトノベルにありがちな主人公たち超ツエーすら容認できる。それくらい優しい物語である。ここ最近、優しくない物語が多かったのでこういう優しさに満ちた話はとてもよい。
 
主人公は女顔の男の子。素直で勇気があり、主人公として好感が持てる人物である。その人物の周りにいる人たちも敵も含めて好感が持てる人たちである。読者が嫌悪を抱くようなキャラクターが主要な層にいない。それは読んでいてとても気持ちがいい。
そんな周囲の人物たちと主人公の交流を丁寧に描いていて、うまくまとめている。
スリードも含めてうまくできていて、そのミスリードがミスリードであったことにホッと安堵する。
 
唯一酷評を受けそうな点はオレ超ツエーな点なんだろうけど、しっかりきっかりこの作品には理由がついているし、弱点のようなものも描かれている。それでも不満なら、それはその読者がオレ超ツエー要素がダメな人だっただけだろう、それは仕方がない。
ただ僕個人としては丁寧なストーリーと心地よいカタルシスを得られたのでこの設定はとても好感を持っている。
 
ぜひとも続刊が出て、長期シリーズとなって欲しい作品でした。