読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

サマーウォーズ

一般小説 ライト文芸

サマーウォーズ (角川文庫)

サマーウォーズ (角川文庫)

サマーウォーズのノベライズ作品。正直、最初は興味がなかったのですが、作者が岩井恭平では買うしかないでしょう!
なんといっても『消閑の挑戦者』の岩井恭平ですよ! えっムシウタ? いえいえ、岩井恭平といえば『消閑の挑戦者』ですよ!
 
第6回角川学園小説大賞〈優秀賞〉受賞作! 天才少年・果須田裕杜が主催する究極のバトル・ゲーム“ルール・オブ・ザ・ルール”。世界中から集められた2人1組のプレイヤーたちは「防御人」なる殺人者集団を撃退しつつ、制限時間内に困難なイベントをクリアしていかなくてはならない。この狂気のゲームに巻き込まれた高校1年生の鈴藤小槇は、パートナーである春野祥と離れたまま、幼なじみである裕杜に挑んでいく!第6回角川学園小説大賞優秀賞受賞作、鮮烈に起動。
という、消閑の挑戦者はマジで面白いです。こういう作品と早い段階で知ってしまうと今のラノベに満足できない状態になります。
 
そんな高坂が絶讃する『消閑の挑戦者』を書いた岩井恭平が書くサマーウォーズなら読むしかない! というわけで、遅番早番の間にある睡眠時間を削って読破しました。
面白かったです。映画を見ていたこともあってかイメージが楽だったこともありますが、それを抜きにしても映画では不満となった部分が補足説明されていて、流れとして綺麗に整っていました。ただまぁ、それでも一部引っかかる部分は残っていましたが。
 
特に絶讃したいのは序章。この序章の描写は素晴らしい。ぐいっと引き込まれます。
ここのテンポの良さやこれからの期待感は全編を通して頭一つ抜き出ています。ここだけ描写の密度が濃くて、これだけで買った意味があったと言わざるをえない。
 
逆に残念なのは映画ではポンポンと飛ぶ場面を描かざるえないために序章ほど描写がないことでしょうか。
あの話をこのページ数で抑えるためには相当切らないといけないでしょうし、描写もやや淡白に感じられた。序章の描写が光っていた分、本編部分のモノタリナさが浮き出ている。
 
あと、カズマの一人称が乱れていたこと、映画では勢いのあった万助が今ひとつ勢いを感じられなかったことなど描写と話のつくりの構成上仕方がない部分もあれど、残念な部分であった。
そもそもサマーウォーズを320ページで収めること自体無理があるのだろう。岩井恭平さんはかなりうまくまとめたと思う。きっともっと描きたかったと思う。
 
なにしろあの『消閑の挑戦者』を書いた人だ。この手の分野は得意分野だろう。それをここまで削って作品として仕上げたのだから、もったいない。
 
とにもかくにも眠いので、読んでみることをオススメして、力尽きよう。