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輪廻

輪廻 プレミアム・エディション [DVD]

輪廻 プレミアム・エディション [DVD]

清水崇監督のホラー映画『輪廻』。俳優の演技力をどこまで読み取れるかが作品の面白さのキモをにぎっっている作品でした。
特に終盤の演技は見逃しては行けないところばかり。そこを見逃すとこの作品の真実を取りこぼしてしまい、駄作と感じてしまいます。
 
2005年の作品なので、今さらネタバレがあっても気にはしないと思うのでネタバレトークで行きます。
 
この作品の恐怖とは輪廻転生ではなく、殺人者である大森教授の妻による復讐劇なのだと思う。
作品の終盤で過去と現在がうまく重なり合う演出で描かれているが、そこで見てわかるのだが大森教授は輪廻によって逃げた。死者の怨念に恐怖し、逃亡した末に怨念が追いつく前に自殺することによって逃げた。
これにより怨念は行き場を失い、人形の中に宿った。
その人形が映画撮影によって開放され、そこに宿った怨念が輪廻転生した人々を再び過去へと戻した。そして優香が演じていた杉浦渚を介して、輪廻転生した大森教授に死の逃亡をさせずに復讐することが出来た、と僕は考える。
 
詰るところ一番怖いのは生きている人間の怨念じゃないかなぁ。
大森教授が残したノートを何度も読んでいるうちに妻は輪廻や今回の復讐について計画したのではないだろうか。最後に浮かべた妻の笑みはそういう復讐者の笑みだったと思う。
 
ある意味、現代に生きる人たちはとばっちりを受けたようなものである。前世を忘れていたのに、たった一人の前世の生き残りによって再び殺されたのだから。
なのでこの作品はホラー要素を含んだサスペンスという位置づけが打倒かもしれない。
 
それにしても、あのミスリードは秀逸。ミスリードのお手本のようにうまく出来ている。
しかもそれでいて後から回想しなおせば、ああなるほどになるし、わかる人には途中でわかる、よいミスリード。後半20分の畳み掛け具合はさすがと言わざるをえない。
あとは怨念が転生者を襲う理由が明確に出てるか、伏線であるとよかったかな。今ひとつその辺りの描写がなかったように感じられる。
教授の残したノートを見返しましたけど、特にそういう描写もなかったような気がしますし。
 
そこら辺のストーリー補完部分は物足りないにしても、ストーリーとしてはよかった。
ホラーとしては物音ビックリくらいかな。あとは雰囲気とかベタな演出とか。それでも、後半部分の演出は凄いと思った。
 
 
総評としては、説明不足な面も否めないもののサスペンスホラーとしては秀逸。
そんなところだろうか。ミスリードの勉強にはなりました。