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【映】アムリタ

巧みな部分と荒い部分が重なった傑作。それがメディアワークス文庫の先陣を切る新人作家の作品でした。
メディアワークス文庫賞受賞作品である本作、自信を持って送り出したのだろう、と思わずにはいられないレベルの作品でした。
 
『[映]アムリタ』は、井の頭芸術大学の学生・二見遭一(ふたみあいいち)が、とある自主映画に出演するところから始まる。その自主映画の監督は、1年生にして天才とウワサされるつかみどころのない性格の女性・最原最早(さいはらもはや)。遭一は、彼女が撮る映画、そして彼女自身への興味から、撮影にのめり込んでいくが……。
 
とりあえず、次の作品からはもう少し読みやすい名前にしてほしい。全キャラの名前が読みにくいのはちょっと。
別に名前に意味が無いのならもう少し一般的というか、読みやすい名前にして欲しかった。
 
 
さて、今作の最大の要望を書けて満足しました。
 
文章自体は読みやすく、テンポが良い。特に会話はボケと突っ込みの応酬というわかりやすく、掴みやすいテンポで構成されているので大人向けと思っていると、予想していたよりも読みやすいと思うだろう。
人物もうまく少なめにしており、把握は簡単だと思う。
 
肝心の物語だが、これはミステリー小説なので書けばネタバレとなるので今回は言明を避けよう。作者の書き方もオチから考えるという、ミステリー小説の書き方だとよく聞く方法と同じなので間違いない。
個人的にはかなり好きな部類の作品である。ライトミステリー好きは手を出してみることをおすすめする。
読み終わったあとに色々と検証してみると細かな部分までよく描かれているとは思う。ただ、荒い部分もあって、一つだけ零すとしたら、主人公が鍵を手に入れた方法、でしょうか。
 
総じて見れば、良い作品。ただこれは売れないだろうね。そういう匂いがする。売れるまでに時間がかかりそうな匂いが。もうちょっと要素強めにすればよかったかもしれない。難しいところでしょうが。
この系統と同時に青春系ミステリー方向で進めばミステリー作家として面白い方向に行くかもしれませんが、それは作者が決めること。
 
とにもかくにも、読み応えはあると思うので手を出してみるのはありだと思います。
あとなんでメディアワークス文庫の作品は電撃文庫の作品より一ページの行数が1つ少ないんだろう?