神々の夢は迷宮

神々の夢は迷宮 (講談社X文庫ホワイトハート)

神々の夢は迷宮 (講談社X文庫ホワイトハート)

購入は結構はやかったのですが、昨日まで読めませんでした。
前作『鳥は星形の庭におりる』が意外に面白かった西東行先生の最新作。前作と比べれば迷宮部分は強調されたものの、キャラクター面では前作を下回る結果となった気がしないでもない作品でした。
 
キャラクター・世界観・迷宮、それぞれ継承はしていますが、メインである主人公が変わったのは痛かった。
本作の主人公ワツレンもなかなかの人物だったかもしれないが、前作主人公のプルーデンスほど魅力的な人物には思えなかった。
あれかな。前作、プルーデンスの魅力ばかり言ったから次は迷宮の魅力を押し出したかったのかな。
でもなぁ、その迷宮の魅力を主人公補正で解かれたら魅力なんて感じないと思うんだけど。(もちろんあとからキチンとした解がありましたが)結局のところ、この迷宮がどうすごいのか今ひとつ伝わってこなかった。
考えている部分がないから、物語を追っていたら解が出てきて、ろくに考えもせずに答えを読んだせいで意味不明な気分になる。主人公とそこで齟齬が出る。
ミステリー小説だと謎に対して主人公もしくは周囲が悩むシーンがあるので読者はそこで一緒に考えられる。
しかし本作はそのシーンがない。早いし、悩まない。
牢獄の場面でそういう思考をゆっくりと描いて欲しかった。そうしたら楽しめたのになぁ。あとこの手の図形パズルはその図形がないとわかりづらいという欠点があったりする。
巻末にでもあると読後の理解が深めて面白いかもなぁ。
 
色々とありますが、主人公が変わってしまったことへのガッカリ度が大きすぎたせいで今ひとつ肯定的な見方が出来ない。
作品としては非常にしっかりと作られているし、人物および世界観なども前作同様しっかりと描かれていて小説としての質は高いと思います。
 
ただ、まぁ、毎度毎度主人公を変えられるのはこの作品の書き方だと厳しいかも。次買うかどうかは微妙かな。
 
簡単にいえば、読者への負担が大きい作品。描かれている中身は非常に濃くてよいものなんだけど、息抜き出来る部分がないから読んでいて疲れてくる。
面白い人には面白い作品だと思う。ただ今回は僕には厳しかった。それだけのことです。
 
パズルが好きな人は一読してみてみるといいかも。
 
個人的にはプルーデンスの活躍がもう見れないと思うと悲しくてしょうがない。