アマルフィ 女神の報酬

気づいたら事件発生していて冒頭部分で少し出遅れましたが、全体としてみたときの映画の完成度に満足した逸品。
そして友人と一緒に行っていたので、映画が終わったあとに「どうだった?」と聞いて「眠かったです」と答えられ、愕然とした作品でもありました。
イヤー第一声でその感想はねぇわ。
 
開局50周年を迎えたフジテレビが、「踊る大捜査線」の織田裕二を主演に迎え、全編イタリアロケで製作したサスペンス大作。イタリアでのテロ予告を受け、ローマに派遣された外交官の黒田康作(織田)は、日本人少女誘拐事件に遭遇し、この事件に巻き込まれていく。
 
というストーリーと制作環境背景がある本作。
この作品はあれですね。上記以上のあらすじなどを一切知らずに見るとすごく面白い。サスペンスとして実に観客が「読む」のが楽しくなる。見ている間の散りばめられた伏線とそれが合致する瞬間、そしてそれを見たあとに観客は作品に隠されていた説明されていない伏線に気づき、この作品がいかに練られているか理解する。
そういう二重の意味で楽しめる。
 
また織田裕二演じる黒田が実にいい男だ。このいい男というのが日本的ないい男であることが大事だ。社会人の男が憧れる男とはこういう男ではないだろうか? それに織田裕二の演技も素晴らしいし、随所に黒田が優れた人間であることがさらりと挿入されているところが憎らしい。その黒田と相対する犯人側も見ていてゾクゾクさせる。
互いに優れた知略をもつ者同士がそれをおっぴろげにするのではなく、さらりと見せ付けていくのがその後の考察を楽しませる。そしていかにこいつらがカッコいいか納得するのだ。
 
全編イタリアロケだけあって景観はさすがだ。邦画なのに洋画的な印象すら受ける。ただ、その景観に頼らない点は映像の回し方で理解できるはずだし、ストーリーが面白いから最後だけで十分とも思う。それでも、ラストに近い部分で魅せたシーンは邦画でこれだけの撮影が出来るのか、と個人的にちょっと驚いた。
また映像の見せ方が実に親切。ああ、これがそういう風に関係するんだろうなぁと観客は予測できるように造られ、それを引き伸ばしすぎず、適切に説明してくれる。
無駄な説明で間延びするようなこともなく、さらりと魅せることで観客に理解させる手法は映画だからこそだ。小説だとこうはいかない。
 
この映画は映画だからこそ面白い。これが小説とか映像外だとこれほど面白くは描けないだろう、と僕は思う。
映画を見たい人にこそ、この映画をオススメする。
 
まぁでも、僕が大絶讃しても友人は眠気に襲われたらしいですけどね。
個人的には、ぜひ黒田が活躍する続編を見てみたい。