ベイビー・プリンセス

Baby Princess〈1〉 (電撃文庫)

Baby Princess〈1〉 (電撃文庫)

シスプリから10年以上経っているのに何一つ変わっていないことがある意味すごいです。
相変わらず小説としては微妙なんですけれど、ある意味ですごいとしか言いようがないです。
数々の企画を世に放ってきたメディアワークスが送る19人もの姉妹がいるトゥルー家族ストーリー。企画自体が色々なものを超越しているので、この小説自体既存の小説の枠に嵌っていないことは読む前からわかっていました。
 
物語は主人公の陽太郎が唯一の家族である祖母を亡くし、天涯孤独の身となったところから始まります。半ば自暴自棄となっていた彼が出遇ったのは19人姉妹の4女・ヒカル。彼女によって読者が置いてけぼりになるくらい強引な展開で物語りは進み、彼は19人家族の長男として仲間入りするのであった、という感じです。
 
うん、まぁわかっていました。
まともな小説なんて期待していません。ですが、10年前に読んだシスプリと何ら変わらない文章を目にすると冒頭から頭がくらくらとします。また、編集者が誰もチェックしていないんじゃないかと思うほど文法上、色々とおかしいのも相変わらずです。
どうして他の小説は普通なのに、この手の作品だけ色々と失敗があるのでしょう。
そんな小説の質を解いても意味はありませんね。大事なのはトゥルー家族との擬似家族物語を楽しむことです。
 
うん、単純にイケメンだと19人の姉妹と家族になれるんですね。19人の家族とトゥルー家族になるのは、ただしイケメンにかぎる、とは驚きを通り越してあいた口が開きません。何人がここに絶望したことでしょう。
相変わらず夢を与えるフリをして人を絶望に落としてくれます。恐ろしい人だ……。
 
と、冗談は置いといて前半および要所要所をおおらかな目で見れば、実に無難なストーリーです。定番といえば定番で、始まりとしてはこんなものかと。
僕は日記の方は見ていないのでそちらとリンクしているのかどうかわかりませんが、もしそうなら相当すごいと思います。たぶん、していないと思いますが。
あとはもう往年のライトノベルを彷彿とさせる文章が夢の時間に誘ってくれるとしか言えません。
面白くないと思わないところがこの作品のすごいところ。そして二巻を読んでみたいと思わせるのだから恐ろしい。
 
近頃ライトノベルを読んでいないな、なんて思った人にオススメする傑作である。