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東京少年

堀北真希主演。石田卓也も相手役で出演しており、若手としては豪華な配役の映画です。
内容は堀北真希演じる主人公が二重人格で、主人格のヒロインが石田卓也演じる男に恋をするところから始まり、ヒロインの副人格が絡んできて、副人格が二人の幸せのために邪魔だから消えろ、というお話です。副人格がヒロインを愛しているという設定がありますが、あまり意味を持っていない。
期待を大きく裏切られたというか、百合を期待しちゃダメですか。そうですか。
 
出演者の演技はまぁあんなものだと思うのですが、それ以前にストーリーがクソです。ええ、それはもう酷い。二重人格を扱った小説はそこそこ読んでいますがここまで酷い話は初めてです。ベタな展開、説明不足、意味不明な選択、撮影技術、演出もすべて微妙。俺に監督をやらせろ、とか誰か言いそうな感じです。
なんて言うか、石田卓也が可哀想だ。こんな役をやらされて、彼の魅力が一つも出ていない。むしろヘタレでダメで見ている者をイライラさせる。演技云々以前に脚本が間違っている。
作品は95分と結構短いのですが、まったくもってまとめきれていない。むしろもっともっと尺を使用して話をうまく作ることは出来たはず。
一番初めに感じたのは、暗さ。この作品は三人の視点から語られる形で描かれているのですが、一番最初に描かれるヒロインの視点がとにかく暗い。それはもう世界が暗いのだ。だというのに、石田卓也と副人格のシーンは暗闇でも明るい。ここは演出として行うなら、ヒロインと石田卓也を明るい映像で魅せて、副人格を暗くしなければいけない。
 
ストーリーが副人格の消滅により、主人格が幸せな人生を送ることが出来る、とするのなら副人格は主人格の持たないくらいダークな部分を描かなければいけない。暴力的・狂気的・破滅的・絶望的、そんな負の感情を出さなければいけない。
なにしろ主人格のためなら何でもすると言いつつ、何もせずに消滅しちゃうんだから笑うしかない。これでは、精神的に主人格を助け続け、献身的な行為をするだけの彼は消滅などせずにずっと残っていたほうがいいと視聴者は思うはず。
また、主人格が副人格に切り替わっている間は記憶が失くなり、それが主人格の負い目になっているというが、何か問題でもあるのだろうか? 同居する祖母は副人格に気づいていないし、バイトをするコンビニでも彼女は普通に働いている。問題視しているのは副人格が邪魔だと思っている石田卓也演じる男だけである。
しかもその男には他の女がいて、一度ヒロインを振っている。そのことについて説明はなしである。凄いね。賞賛を送りたいね。映像としても姿を見せた彼女を存在自体なかったこととして扱っているのだから。
 
ある意味、ナショナルトレジャーよりも楽しめる映画である。カップルで見たら映画の後に色々とツッコミあって楽しめること間違いなしである。
表紙から百合を期待すると盛大に裏切られるので要注意だ。あと全体的に暗い映像なので、俳優を楽しみたいという人にもオススメできない。C級映画を見て、その阿呆らしさにツッコミを入れたい人向けの映画だろう。