魔法飛行

魔法飛行 (創元推理文庫)

魔法飛行 (創元推理文庫)

 出会いはいつだって、BOOK STORE 談から。そんな風に思えるこの本も間違いなく良作の部類。
 妙な振る舞いをする女の子、噂の幽霊を実地検証した顛末、受付嬢に売り子に奮闘した学園祭、クリスマス・イブの大事件……文章修業を始めた駒子が近況報告のように綴る物語は、謎めいた雰囲気に満ちている。ややあって届く返信には、物語が投げかける謎に対する明快な答えが! デビュー作『ななつのこ』に続く会心の連作長編ミステリ。
 
 先に言っておくと、この作品は続編らしいです。デビュー作の続編だそうで、そんなことは知らずに買ってしまいました。が、これはこれで十二分に良作ですし、読めないことはないと思います。ちょいっと登場人物の把握が面倒ですけどね。
 創元推理文庫の青春ミステリーは本当に面白いものばかりで、この作品もその一つ。連作短編による長編という構成で、手紙・本文・解答の手紙・?な手紙という形をしており、読者は推理は出来るし、次への楽しみは出来るし、一つ一つで楽しむことも出来る、と至れり尽くせりな内容。しかも○○○○○○○だから女性にも読みやすい。
 個人的には、
「傘が一本あって、人間が二人いて、それでどっちか片方が雨に濡れてるくらいなら、傘なんて畳んじゃった方がいいんです。違いますか?」
 という駒子の台詞に作者のセンスの高さを感じられました。雨が降る中、傘一本しかない状況は小説を含め様々なものやところで目にするけれど、こんな台詞を見たのは初めてだし、この瞬間、僕はこの本に惚れたといっても過言ではありません。
 
 とにもかくにも、デビュー作。読んでみたくなりましたよ?