読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

きみはポラリス

きみはポラリス

きみはポラリス

 これって恋or愛?いえ、これこそ恋愛そのもの。世間の注目も原稿の注文も「恋愛」のことばかり。なら、とことん書いてみようじゃないの!ということで生まれたただならぬ「恋愛短篇集」。初恋、禁忌、純愛、結婚、信仰、偏愛、同性愛…本気で恋し、だれかを愛したいなら読むしかない!われらの時代の聖典
 という帯の煽り文がある、三浦しをんの恋愛をテーマとした短編集です。
 
 さすが直木賞を受賞した作家だけあって、短編でありながら様々な愛の形を描いています。そこら辺に落ちている恋愛を描いた作品とは一癖も二癖も異なり、僕的にはかなりクリティカルと言わざるをえないです。ただし、前半の濃密さに比べると後半は今ひとつのような気がしました。描いている形が形なので好みの問題でしょう。
 僕的には『裏切らないこと』が一番で、二番が『私たちがしたこと』ですね。特に『裏切らないこと』はエロゲー好きには好物となるはず。『私たちがしたこと』も昨今のオタクなら楽しんで読めるはず。
 そういった表面的な部分で楽しめる一方で、表面的ではなく深い部分も描かれた作品もあったり、聖典とはいきませんが教本の一つとしては読むと恋愛の描き方が変わるかもしれません。
 
 マンネリ化した恋愛小説・漫画しか描けない人が読むと勉強になる一冊だと思います。