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夜は短し、歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

 某図書館先輩が面白いといったので古本屋で随分前に買ったまま本棚で眠っていたのをようやく封印解除して読破しました。
 鬼才モリミが放つ、キュートでポップな片想いストーリー! 「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受けるのは奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった!
 2007年本屋大賞2位! 去年の今頃、きっと本屋で見かけた方も多かったと思います。いまだと漫画版が本屋で見かけることと思います。
 
 読んでみて思ったのは、ほほぅこれはこれは面白い文体で書かれた文章だ、というものでした。その独特な表現と言い回し、それに風変わりなリズム感が心地よく、同時にこれは読み手を選ぶ文章だなぁと思いました。僕的にはこの文体だからこそこの小説はここまで生きたものになっていると思いましたが。
 小説は男と女、二人の視点から物語が語られ、片方の出来事がもう片方に影響し、けれども互いの存在はここぞという場面以外重なり合わない。しかして、男は女に会うために人工的ご都合主義を量産するのであった。
 舞台が京都であることも好印象でした。やはり舞台を歩いた経験があると実際に登場人物が歩いている光景が思い浮かべやすく、そうそう、と頷けて物語とは違う部分でも楽しめるのはお得でした。
 
 第一話では酒が飲みたくなり、第二話では古本市に行きたくなり、第三話では学園祭を楽しみたくなる、まことにその主題となる基軸が楽しくおかしく一緒になって楽しみたいと思わせる。
 特に第三話の学園祭は非現実的なんですけど、でも発想が今まで見たことない方向で素晴らしかったので良かったなぁと思います。うん、もし僕が学生ならこんな学園祭をしたいと企んでしまいそうだ。
 
 無理して読む必要はないと思いますが、漫画を読んで面白いと思ったなら小説も読むと一風独特で魅了されるかもしれません。