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KISSingジェシカ

百合 映画

 ジェシカ・スタインは28歳。ニューヨークの新聞社に勤める知的なジャーナリストだが、恋人は今いない。リルケの詩を読みながら、ため息をつくジェシカ。そんな時、ジェシカは新聞の恋人募集広告でその詩が引用されているのを見つける。もしかしたらこの人は私の運命の人? だけどその相手はなんと“女性の恋人を探す女性”だった!この広告を出したのはギャラリーでアシスタント・ディレクターとして働く女性へレン。彼女はゲイの友人たちに薦められ、知的な言葉で“ストレート”の女の子の心をつかむためにこの詩を引用したのだ。広告に惹かれたジェシカは、「心を開いて」ヘレンと会うことにした……。

 商品紹介で三つあったのが謎ですけれど、まぁそれは本編とはまったく関係ない話。
 作品のあらすじは上にあるとおりで、まぁ性格には百合ではなくレズビアンという風に社会的には捉えられているわけですが、全部を見た感想としては、レズビアンというか百合じゃね? と思うんですよね。いえ、物語全体で見ればレズビアンの話なんでしょうけれど(正確には、本当の自分を見つける話ですけれど――性に関係なく)、ラストを見ると百合に近い気がしました。
 物語はラブコメに属するもので軽快でテンポがよく、重くならずかといって軽くならず、かなり軽妙な作品に仕上がっています。百合小説を書く人は、確実に見ておいたほうがいいと思う一本。色々な意味で勉強になりますし、ストーリーが幾らでも代用できそうな感じ。
 個人的に気に入ったのは、広告に出す文章に引用を使うことに「何故、引用を使うの?」とヘレンが尋ねたときのゲイの友人の言葉「知的な引用をすればバカは近づかないし、君の感性と合う、理想の相手と出会うことが出来るから。それに偉大な作家の言葉を使えば、君が真面目で洗練された人間に見える」とか面白いなぁと思った。
 また、主人公二人が男性二人に女性同士のセックスについて問う所とか、主人公が周囲に誤魔化すところ、周囲が主人公の変化に気づくところなど面白いところ満載です。ラスト直前ぐらいの二人の会話とか色々考えさせられます。主人公が保守的なユダヤ教であることも生かされているし、周囲の環境や状況、また戸惑いや変化、そしてなにより家族。もうね、母親と主人公の語らいのシーンは感動ものです。
 基本的な百合小説は、明るくPOPでキュートな作品が多いと思うので、これは参考になると思います。
 また、この作品の感想を見ていくうちに「http://www.bravissima.com/main.htm」というサイトを見つけたので、そういう系の作品を探すご参考にどうぞ。別にレズとかゲイとか僕は応援する気も否定する気もないです。百合という作品の気質が好きなだけ。
 
 作品自体が2001年のなので、マリみて百合ブームの前なのでチェックしてない人が多いのでは? 一見の価値ありです。