読書感想文2

 第一回目の読書感想文からだいぶ時間が経ち、感想を書けるだけの量が貯ったので、また書き連ねていこうと思います。今回も毒を含んだ感想となるでしょうが、そのレベルの高さに白旗を上げた負け犬の遠吠えぐらいだと思っていただけるとありがたいです。また、ネタバレを含みます。この感想文を読んだ人がその本を買いたくなるようにオススメする推薦文ではなく、僕個人の傲慢な感想文だということを理解して、お読みください。

 その覚悟がなければ、決して読まずに、下記の『本屋の森のあかり』でも読んでてください。

【豊田 孝雄】:「雨上がりの月」

 かなり荒い作品。あとがきを読む限り、かなりトラブルに巻き込まれたみたいなので、こうして無料冊子として配布できるだけでも大したものだと思うのですが、この本は僕が冬コミに参加して、そこで配布されていたものを手に取ったということは、夏コミの段階で冬コミに参加する意志があったということで、そう考えればトラブルは弁明でしかないことになってしまう辺りが不思議。
 文章データが吹っ飛んだというのは仕方がない。その間に、バックアップや印刷をしていなかった作者のミスでもありますが、不幸であるといえる。また、製本ももう少し周囲のサークルを見ておくべきでしょう。今回僕が買ったサークルの本だけでも、同じく自主制作でも綺麗に製本された本が沢山あります。その辺り、次を書くときには勉強しておくことだと思えます。
 さて、作品としての感想は、一人称なのでキャラクターの心情についてはよく書けているし、現実的な中身だと思う。しかし、交互に男女の視点を描くよりは、男を描き、女を描き、最後は三人称で締めたほうがプロローグとしては綺麗ではないだろうか? 僕はそう思った。
 面白い、面白くないの視点で言えば、まだその域ではない、といったところ。プロローグなのだから、まぁ当然である。あとはここからどう描くかで作者の愛情が決まる。
 
 まずは自分の本と他人の同人誌と一般の小説を比べてみること。それは文章力とか表現ではなくて、作法や製本の部分である。この部分を次までにどこまで仕上げるかで、作者のこの作品に対する愛情がわかるでしょう。
 今の作者に必要なのは、外観を整えること。小説の中身をいきなり一流にすることは出来ませんが、外観を一流にすることは容易です。まずはそこから始めてみてはどうでしょうか。

【H.P.Holic】:「H.P.C?」

 ヘッドフォン好きによるヘッドフォンを物語りに絡めた作品集。コミック部分に関しては専門外なのでなんともいえませんが、小説部分については感想を書けます。
 「H.P.Connect」は義理の姉妹の話ですが、短いながらも二人のキャラクター性を描けており、巧くまとめられていて好感が持てます。ただ、ケータイにヘッドフォンって切り替え機(?)みたいなのを使わなくても出来ましたっけ? その部分だけ不思議に思いました。いやまぁ、知識不足から来る疑問なんですけど。
 「H.P.Cacophony」は終電帰りに出会った男と女の物語ですが、くるっと話の空気がひっくり返る感じが面白い作品でした。欲を言えば、もう少し恐怖を煽る描写を最後に力を入れて書いて欲しかった。ちょっと物足りなさが残ってしまうのが残念。あとはもう少し文章に対して丁寧になって欲しい。それは作法の部分で。いくらいい物語でもこの乱れは許容範囲外である。
 「H.P.Chan!」は赤ずきんの話にヘッドフォンを絡めた笑話。改変としては巧く出来ているが、爆け具合が足りない。いっそヘッドフォンについて赤ずきんがページの半分くらい語るとか、それで狼を圧倒するとか、そういう描写があると面白い。作法は守られていて、どうせ共作するなら「H.P.Cacophony」の作者の方に教えればいいのに、とか思ってしまう。
 「H.P.Children」は大学生の女の子二人のお話なのだけれど、なんとも不思議な気分になる。取りとめがないというか、つかみ所がない感じで、面白い面白くないで判断するには難しい空気を持っていて、僕の理解力の問題だろうか。例えば「なんとなく、戻るときには手を繋げなかった」という描写があるが、いつ手を繋いだ? そんな描写があっただろうか? また「ピアノの下で彼女を抱きしめていると」とかは前との流れから飛んでいてわかりづらい。
 何がどこでどういう話の展開なのかが掴みづらく、それゆえに面白い面白くないの判断が難しい。そういう作品。
 全てを読み終わってみれば、不思議とヘッドフォンに興味を持ってしまうのは、この本にヘッドフォンを愛する気持ちが詰まっているからだろうか。そういう意味ではこの本はその役目を果たしているといえる。

【そらいろ】:「ゆるゆら。」

 典型的な少女系小説で、物語としては綺麗にまとめられており、軽い気持ちで楽しめる作品です。あとは作法にさえ気を使えば、かなり良質な少女系の小説になると思います。あと、左側のページが斜めなのは仕様? 直せるなら次回以降は……。さすがに読みづらかったです。
 全体的に、巧くまとめられ、キャラクターも爽やかな香り漂う紅茶のような方たちで、砂糖も少し多めです。あとは紅茶の苦味を持つキャラクター・毒舌だけれど愛すべきキャラ(?)みたいなのが加わると絶妙なテイストになると思いつつ、作者の頭の中では今後どのように描くつもりなのか娯しみでもあります。

【Concealed Wings】:「Examination.」「はじまりの鐘」:http://hisaka.whitesnow.jp/cw/

 さらに2冊読破。うーん、全部同じキャラクターで、これならもう、一冊にまとめた方が早いようなと思うのですが、さすがに中身も空気も同じ小説が5冊も続くと飽きてきますね。作品は前回同様で、ホットミルクのようなあまくぬるーい作品ですね。それが好きな人にはやっぱり安心して読めるんですけど、そればっかりだと人間飽きるのも事実で、もしかしてこういう作品しか描けないのかな、と僕は不安に思っております。
 残り半分。予想を外してくれる作品が出てくれることを願ってやみません。

読書感想文後2

 今回の感想で口酸っぱく言っているのが、作法ですが、これに関してはもう譲れない領域の話で、そんなの作品が面白ければどうでもいい、という人とは絶対に話が合いませんし、作者がそんなものどうでもいい、と思っているなら絶対に次はありません。
 作品を描く上で、あえて無視しているというのなら僕は認めますが、それはその作品を描く上で必要不可欠だからです。今回読んだ作品で、その必要があった作品はありません。なので、直っていなければ、次はもうどんな名作を描こうと読まないでしょう。それくらい、僕にとっては譲れない領域だったりします。
 ちなみにバカとテストと召還獣や気象精霊記などがその例ですが、その二つでもきちんと最低限は守った上で作品を描く上で放棄すべき部分を放棄しておりますが。
 この点について論議するつもりはなく、まだここに感想を書いていない作品で守られていない作品があれば必ず指摘します。そういう感想文です。
 来週までに次の感想を書ければいいなぁ、と思いつつ、現在は「横浜骨董調査局」と格闘中。長い……。