エノーラ・ホームズの事件簿

エノーラ・ホームズの事件簿―消えた公爵家の子息 (ルルル文庫)

エノーラ・ホームズの事件簿―消えた公爵家の子息 (ルルル文庫)

 ルルル文庫、購入二冊目の本作は、ライトノベルの皮を被った本格児童文学でした。というか、これはルルル文庫から出るよりも最近出てきているライトノベル風の絵が付いた児童文学系統から出た方が良かったのではないだろうか?
 ホームズに妹がいて、その妹を主人公とした冒険譚なんだけれど、作者が外国人のエドガー賞を受賞した人物ということで、その辺のライトノベルとは格の違う設定と時代背景の深さがありました。特にヴィクトリア朝時代の時代背景の描写はすごい。この時代だからこそのトリックであり、この時代だからこその主人公とも言うべき設定のうまさ。
 シャーロック・ホームズの妹という設定だけに踊らされていないところに好感が持てます。
 
 ――レディがかくのは汗とはいわない。
 なんて表現が良かったり、胸が足りないからそこに詰め物の代わりに物を隠しいれる、なんて面白い発想である。そういった時代背景を基にした様々な設定を生かしながら、物語を展開しているところが良かった。
 続編が出るならきっと買うと思うけど、出るのだろうか?
 
 ガガガ文庫はまだまだ地雷は多そうだけれど、ルルル文庫は無難な感じがするのは、今回と前の一冊がまだ読めたからだろうか。