ソマリと森の神様3巻

異種族父娘の幻想異世界譚3巻目。

2巻のラストを忘れていたため、最初ポカーンとしてしまいました。

 

3巻を読む前に、まずは2巻を読み返すことをおススメします。ソマリが地下へと行くのですが、なんで行くのかとかそういうのが全部2巻だから、話を忘れているとポカーンとしちゃいます。

3巻では、ソマリと森の神様の関係が深まったというか、親子として近づいた感じがあります。いつか離れることを意識して距離を置いていた森の神様が3巻前半の出来事を通して、ソマリとずっと一緒にいることを告げます。それ以降、3巻後半では二人の会話がこれまでよりも柔らかくなった感じがします。

また3巻後半ではついにソマリ以外の人間が出てきます。ですが、かなりきついお話になりそうな引きで、4巻へと続くので4巻読むときは3巻を読み返さないとまたポカーンと思想。

 

細かいところまでオリジナリティある絵が刻まれた作品なので、一回目はストーリーだけを追い、2回目、3回目で細かく描きこまれた異世界を堪能したいと思います。

親子ものとしても面白くなってきた本作。時間が空いて前の巻の話を忘れてしまうので、読む前に読み返すことが必須なことにご注意してお読みください。

めいしょう

 

めいしょう (ヤングジャンプコミックス)

めいしょう (ヤングジャンプコミックス)

 

 プロ野球の監督がなんと小学生の女の子。

際物っぽいコメディ作品ですけど、インパクトに反して正統派の面白さでした。

 

小学生の女の子がプロ野球の監督になった、という強烈なインパクトゆえに倦厭されかねない本作ですが、中身は意外や意外、かなりまともにプロ野球を扱っていますし、コメディとしてかなりの面白さがある作品でした。

第一話からコメディ要素がフルスロットルです。男のベテラン記者と女の新人記者が取材に来たところから始まるのですが、女子小学生監督の存在にツッコミを入れる新人記者に対して、すげー真面目に話すベテラン記者。まるで当たり前だろ、当然だろ、と大真面目に女子小学生監督の行動などを解説するのが面白すぎる。いや、これはすげーですわ。出オチかと思ったら、柱コメント欄の所に大真面目にプロ野球の豆知識を入れてくる。かと思えば、就業規則とか入れてきて、小ネタが満載!

例えば審判への抗議で5分以上は遅延行為として見なされ退場となる。すると、抗議をしていた女子小学生監督がピタリと5分きっかりで抗議を止めた。タイマーでも持っていたのかという新人記者に対して、ベテラン記者は小学校の5分休憩と何か関係が! と大真面目な表情で言ってのける。

女子小学生監督を全面に生かして話を作っているし、要所を真面目なプロ野球ネタで締めて、非常にテンポよく、全編通して面白さが続いている。これが1巻限りだなんて非常にもったいない。ヤングジャンプで人気が出なかったのなら、他の所に移籍させてでも続けるべきだ。

読者層さえ合えば、楽しんでもらえるだけの力がある作品だと思う。単純にコメディとして面白い。おススメの一冊です。

 

そうそう、女子小学生監督だからって、

allianzさんはロリコンではありません。

はりゅーさんはロリコンではありません。

うん、これは言っておかないとねっ!

 

君に恋をするなんて、ありえないはずだった

 

君に恋をするなんて、ありえないはずだった (宝島社文庫)

君に恋をするなんて、ありえないはずだった (宝島社文庫)

 

 ふっざけんなーーーーーーー!!!

終わってねぇじゃん! 全然終わってねぇじゃん!!

話が全然終わってないじゃ―――――――ン!!

 

宝島社の人間が「( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \」と大笑いしている姿が目に浮かびます。ふっざけんなよ! 宝島社! あたかもこの文庫本で終わるような書き方して、全然話が終わってねーじゃねーか! しかも、次回に続くとか書いてないから、売り上げが悪かったら続刊出すつもりとかないんだろ! そうなんだろ! この売り方は絶対そうなんだろ!

なんなの、エヴァ最終回並みのぶつ切りですよ。

「おめでとう」

とか言って拍手してきたらぶん殴るレベルですよ。久しぶりに小説を読んで切れそうになりましたよ。もし続刊出したとしても、本編50ページくらいで、残り200ページくらい外伝とか出して、憤慨する読者を見て「ギャハハハハ」とか笑うつもりだろ。

マジで木根さんの1人でキネマのエヴァ回を思い出しましたよ。

 

いやもう、凄いですよ。話はもうド定番のようなギャル系の女の子とメガネ男子の恋愛ですよ。ちょっとしたきっかけがあって近づいて、週一回だけ予備校の帰りに一緒に帰る関係になって、少しずつ相手のことが気になって、文化祭でヒロインの弱いところを見て、恋心に気づいて、一気に接近したかと思ったら、周囲バレして、ヒロインが「あんなオタク好きなわけないじゃん」的なことを言って、主人公落ち込んで、いつも待ち合わせしている駅のホームで彼女を見かけたけど、逃げるように電車に乗って、僕はもうあきらめましたよ―――で終わり!

ふざけんな! だれがどう読んだってここで終わりなわけねーだろ! ここまで超王道的な展開しておいて、こんな中途半端なところで終わるわけねーだろ! これがコミックの途中の巻だったらわかりますよ。あーすごい引きだなー、次の巻は半年後か―気になるなー、えっ今なら最新号でこの続きが読める? よし、買おう! ならねっ!

でもこれ、明らかに売り方がこれ一つで完結しますよー。すれ違いが起こるラブストーリーですよ―的な帯だし、タイトルだし、装丁じゃねーか! しかも最終ページに続くも終わりも書いてねーじゃねーか!

なんだこりゃーーーーーーですよ! 新海誠監督の秒速5センチメートルのつもりかこんにゃろ―――――!

 

いやまぁね、これがマリみてレイニー止めとか、エヴァの最終回とかならいいんですよ。うぉー先が気になる―! きっとハッピーエンドになるはず―! とか思いながら次まで待たされるわけですよ。

でもこれ、大賞受賞作でっせ! 普通、これだけで終わると思うだろーが!

それを逆手に取ってみましたとかじゃね―――――! たぶん、ここまで読者が「終わってねぇ!」というのも想定内なはずで、それもありなんじゃね、新しいんじゃね、とか思っていそうで、だったらお前らそれ読者の身でされてみろ、とか言いたくなりますよ。

 

とにかく話自体はド定番です。少女漫画で何度も見たことのあるもので、まぁ王道ゆえに普通に楽しめるんですが。ところどころ、男の性的な部分が描写されて鼻につくなぁというところ以外はキレイで、読みやすい。互いの心情描写もきっちり王道を抑えているので楽しめるはず。最近、気を狙った作品が多い中でこれだけ直球を流れる作者は素晴らしいと思うし、需要は十分にあると思う。表紙の絵と合わさって、いい作品です。

だからこそ、ぶつ切りのようなこの終わり方に大暴走ですよ。これで10年後とか描いて、One more time,one more chanceとか流したら問題作として名作になったでしょうよ。少女漫画のテイストを取りつつ、最後めちゃくちゃな終わり方して読者に喪失感を与えたとしてね。

ひっさびさに小説を読んで、終わり方に驚かされましたわ。悪い意味で。

作者のあとがきがなかったらマジで本を投げつけるレベル。しかも次がいつ出るかわらかないし、本当に出るかも現時点では不明。

良くも悪くもすごい本。とりあえず、続きが気になる方は「小説家になろう」に旧題「眼鏡とあまのじゃく」というタイトルで続きがあるのでそちらを読みましょうか。……なんだこれ? 書籍買って、なろう、につなげる取り組みなの?

ncode.syosetu.com 

とりあえず、僕の「小説家になろう」作品嫌いが加速したような気がします。書籍化するときにこういうことするから嫌いなんだよ! なろう作品の書籍は!

(この本がなろう作品だとは最後まで気づいていませんでした)

ふたりべや4巻

女子高生二人のワンルーム同居ライフ4コマ。百合成分濃い目。

本作で完結せずに、続いてくれることが嬉しくて、すごく驚かされました。

 

女子高生二人のワンルーム同居ライフ4コマも4巻目。主役の桜子とかすみも高校三年生で受験シーズン真っ盛り。本巻も夏から卒業までを描いております。

ネタバレにもなるんですけど、本作、終わりません。通常、この手の作品だと高校卒業とかのタイミングで完結してしまう作品が多い中で、この作品は何と5巻で二人の大学生活も描いてくれるそうです! ひゃっほー!! 英断ですよ、一迅社さん!

百合漫画として、すごくゆるくて、イチャイチャしていて、読んでいてほっこりする本作は受験シーズンだろうとその百合っぷりは崩れません。ここまで安心して読めて、百合に萌えられる作品は稀有です。

百合漫画として今一番おススメです。

 

今回は受験シーズンを描いているので、読みながらまさか4巻で完結なんじゃ?とドキドキしながら読んでいたのですが、あとがきを読み終わってもどこにも完結の文字がなく、これから大学生になる、と明言されているのできっと大学生活が5巻で描かれるはず!

これまでの登場人物をほぼ一新して大学生活を描くとはすごい挑戦! 応援したくなります。

4巻は基本的に受験シーズンのあれやこれやが話題になりますが、その中でもペアルックだったり(パンツがお揃いだったり)、口のそばについた粉を舐めとったり、クスリの口移しだったり、基本イチャイチャしてるんですけど、読者を殺しに来る構成が連発してきます。受験だからってサービス過多なんですかっ! もしかして終わっちゃうんですかっ! とか不安になっちゃうくらいで、もう、ほんとーに素晴らしい百合でした!

 

イチャイチャしながらも、レズではなく、百合っぽさを堪能したい人はぜひとも手に取ってください。おススメです。

ホーンテッド・キャンパス 白い椿と落ちにけり

ホーンテッド・キャンパスも11巻。シリーズ累計100万部とホラー小説のシリーズものでここまで続いた作品て他に何があるんでしょうね。

そんな第11巻も凄く面白かったです。

 

表紙のこよみちゃんが非常に奇麗なわけですが、森司くんの妄想ですかね。

初デートを済ませて本編ではなんだか森司くんは妄想を増してしまっている気がしますが、でも脳内計画を実行へ移すために行動しようとするのは良い変化です。今回も、こよみちゃんとどうやって話していたかわからなくなって逃げだすとかヘタレ具合ここに極まれりな行動をしますが、最終的にはちょっと男を見せましたね。

 

そういえば、第10巻の帯「森司のくせになまいきだ」が作者のツイッターによると評判良かったらしいです。うーん、前回の感想で「わかってねー」と言っていた身としては意外。案外、世間は森司くんに対して厳しいのかな。

と思ったのですが、11巻を読んで「森司のくせになまいきだ」は森司くんが住むアパートの先輩ポジションからの意見なんだと納得しました。

個人的には森司くん応援派・オカ研ポジションなので、プロローグでヘタレ全開の森司くんを見ると「お前なぁ」と呆れてしまいますし、告白云々で森司くんとこよみちゃんの意見に「君たちねぇ」とホント藍さんや鈴木くんと同じ哀れなものを見る目になりました。この作品ほど二人を応援する気持ちになる作品はないですね。

今回のオカ研メンバーは森司くんに対して優しかったですね。ヘタレ具合を発揮している彼に対して、藍さんはもっとガツンと言うものかと僕も予想していましたから居酒屋でのやり取りは結構意外でしたね。

そして今回急ブレーキと帯にはありますが、大きな進展は確かになかったかな。進展しそうな空気はあったが、周囲に邪魔されたり、森司くんが場所を考えずに行動しちゃったりして不発に終わっていました。

でも、周囲が目を見張るような早足で歩くこよみちゃんが、リハビリと称して、森司くんと一緒にその場を四周も回る、もう身もだえものの甘酸っぱさとか、森司くんの高校時代の写真を「永久保存版」とか言って自慢するこよみちゃんとか、可愛いすぎるというか、これまで隠されてきたこよみちゃん側が漏れてきている巻でもありました。

12巻へと繋がる伏線も張られていましたし、今後二人の仲がどうなるのか、ますます気になりますし、応援したくなります。

 

もう一つの軸であるホラーに関しては、最後に森司くんがまとめているので、それに尽きるかな。第1話ではエクソシストポルターガイスト、その原因についてでエクソシストからキリスト教で宗教の話かと思えば、原因はもっと生々しくて、根源的な原因に至るまでの転換が面白かったです。第2話ではこれまでにない2つの依頼を同時にこなすお話で、一方が胸糞話でもう一方が家族の話。第3話は比較と行き違いのお話。大事なことははっきりと相手に示さないといけない、というのが全編通して伝わってきて、最後の森司くんへと繋がります。

今回は次回へ繋がりそうな伏線が張られており、次がどうなるのか気になりますね。

 

最後に、作者のツイートで

 ってあったので、ちょっと読み返しもしております。

あのなつ。

 

「これは恋のはなし」のチカが描くタイムリープ物語。

ぶっちゃけ「これは恋のはなし」の特別篇があったから買ったんですけど、この作品自体も面白かった。

 

まずは「これは恋のはなし」の特別篇について。

久しぶりに登場した遥と真一。もうね、懐かしいやら嬉しいやら、もっとこの二人のイチャコラした話を読みたい、と再熱してしまうお話でした。何しろ、プロポーズですよ。とにもかくにも、遥の攻めっぷりですよ。いやまぁ、確かに子供の頃からぐいぐい攻めてくる子でしたけど、もう熱烈っぷりが凄かった。

個人的に小学生時代の印象のが強いのでまだ違和感はあるんですけど、でも、こういう二人のイチャコラ話を今後も少しでいいから読ませてほしいですね。あと表紙を捲って裏側に「これは恋のはなし」の特別篇用のあとがきがありますのでお見逃しなく。

 

で、本編の「あのなつ。」ですが、1巻だけのあらすじを読んで買ったので、最初はよくあるタイプリープ物なのかなぁと思ってみたら、おいおい、関係者6人全員がタイプリープかよ、と。しかも、一人は子持ちだったから未来を改変したくないとか、すごいね! さすがチカ先生だな、と思わせる展開を描いてきます。

1巻で6人全員がタイプリープしていましたと判明していく展開は実に緊迫感があり、読んでいて面白かったです。

そして2巻ではそれぞれがどうしたいのか奔走し、迷走していく展開がタイプリープものとしても素晴らしいし、人間模様としても読んでいて面白い。

6人に届く謎のメールや少しずつ明かされるキーパーソンとなる「はる」について。そして、ヒロインを巡っての三角関係など、今後の期待値を上げていく展開が連続しております。

「これは恋のはなし」目当てで買ったのですが、思わぬ当たりでした。

3巻も引き続き買いたいと思います。できれば、「これは恋のはなし」の特別篇をまたお願いします。

人間に恋した鬼は咲う

表紙絵はすごくきれいな、人間と鬼が織りなす怪異恋愛譚。

カラー表紙を捲ると表と裏にもお話があるので見逃すべし。

 

鬼と人の恋愛譚なんですけど、うーん、まだちょっと漫画を描くには実力不足、かなぁ。一枚絵とかはすごくうまいと思うんです。カラーで描かれている1話の冒頭なんかはすごくきれいだし、力が入っているんですけど、それ以降のモノクロページの真っ白さ。背景のなさが目立ちます。

また、キャラのギャグ顔、ギャグ描写が崩れすぎていてかわいくない。あとがきとかにあるなら別にいいんですけど、本編で使うような絵ではないと思った。全体的にバランスが取れてなくて、要所要所の絵はキレイなんだけど、全編通して描き続けれてない息継ぎ感と背景まで手が回っていません感が感じられた。

ショタモノかと思ったら、一気に青年まで時間を進めるし、うーん。

ストーリーもえらく急いでいるようなテンポで、100年という時間をすごい駆け足で描くつもりなのかなぁ。もっとゆっくり、少しずつ描くテーマだと思うんですけど。

pixivで連載しているようだし、この作者さん、イラストを描くのはすごく上手だと思う。表紙のヒロインである鬼の絵など、本屋の新刊棚に並んでいても埋没していない。

でも、イラストが上手なのと漫画が上手なのはまた別の話で、まだまだまだまだ発展途上。少女漫画の新人賞とかだとまだ受賞するのは難しそうなレベルに感じた。

 

あとこれは作者なのかわかりませんが、表紙及び裏表紙、帯の装丁や文章のセンスはすごくレベルが高い。センスを感じさせる。なんていうか、この本の良いところだけを本当にうまく吸い上げて作っている気がする。

 

イラスト描くのは得意だけど、漫画はまだまだこれから勉強中、といった本作。

うーん、まずはpixivで連載しているそうなのでそちらをチェックしてから購入するか検討することをおススメします。